地産地消の資源循環システムや再生可能エネルギーの導入が積極的に進められる時代。バイオガス発電は、家畜の糞尿、食品廃棄物といった地域の未利用資源からエネルギーを生み出す技術として、改めて注目を集めています。ただ、バイオガス発電普及の足かせとなっているのは、発酵後に残る「消化液」の安価な処理・効果的な活用法の確立でした。
イタリア発の最先端技術「HT GEST TM」は、バイオガス発電で10年以上先行しているヨーロッパ、イタリアのハイドロテックエンジニアリング社(Hydrotech Engineering S.r.l.)で開発され、近年欧米で急速に普及が進んでいる、実績豊富な消化液処理技術です。
バイオガス発電は、地域の畜産糞尿や食品廃棄物などを原料として、エネルギーと肥料の両方を生み出すことができる、資源循環の「媒介役」として理想的な技術です。
しかしながら日本においては、山がちな地形、狭い農地、化学肥料を中心とした農業といった日本独特の環境要因が、その普及を阻んできました。
私たちは、この課題を解決すべく、さまざまな技術を探索・検討し、ついに最先端技術「HT GEST TM」にたどり着きました。
「HT GEST TM」は、消化液散布に要するランニングコストと同程度の費用で消化液処理が可能です。
これにより、これまでバイオガス発電の導入が難しかった地域においても普及が進むことが期待されます。
「HT GEST TM」は、固液分離後の消化液から、河川水よりもきれいで無色透明な「RO膜透過液」と、固形物やにおいがほとんどなく肥料成分豊富な「液体肥料」のふたつを生み出す技術です。
「RO膜透過液」は、当然のことながら河川へ放流する基準を満たしており、さまざまな形で二次利用可能です。
また「液体肥料」は、従来の消化液よりも数段高品質な肥料として利用可能です。
「HT GEST TM」は、イタリアのハイドロテックエンジニアリング社が2008年より市場投入している、欧州で豊富な実績を持つ技術。
伊・仏・米などを中心に、既に世界各国で20カ所以上、合計で毎日9,000㎥以上の消化液を処理しています(2020年末時点で建設中含む)。
また、国内における建設やメンテナンスサービスは、日本独占販売権を持つ(株)アーセックが、豊富な実績のある水処理会社と提携して提供します。
既に国内で2年に渡る実証試験も実施し、その効果を確認済みです。海外技術でも安心して導入・運転して頂ける事業体制を構築しました。
「HT GEST TM」が導入・普及を推進するバイオガス発電事業は、循環型社会構築、カーボン・ニュートラル、レジリエンス強化など、サステナブルな社会の実現に貢献します。
エネルギーはもちろん、上質な有機肥料は豊かな収穫を、きれいな排水は水圏を共有する多くの市民の方からも賛同を得ることができる、素晴らしい未来を生み出す可能性を持った技術です。